IT業界は需要が高く、30代未経験からでも挑戦したいと考えるかもしれません。
また、高収入を目指せる、自由度の高い働き方ができると思い志望する人もいるでしょう。
本記事では30代未経験からIT業界は難しいのか、未経験から転職を成功させるポイントを紹介します。
また、転職できた人の体験談も掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
- 30代未経験からのIT転職は難しい
- 転職できた人もいるので不可能ではない
- IT関連の知識は必須
- ITスクールや転職エージェントを活用しよう
【結論】30代未経験のIT転職は難易度が高め
30代未経験からIT業界を目指す場合は、正直に言うと厳しいでしょう。
IT転職への難易度が高い理由を、以下の2点に沿って解説します。
未経験エンジニアの採用は29歳までという暗黙のルールがある
30歳を超えるとIT業界への転職は難しいといえます。
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30代後半、未経験でのITエンジニアへの転職はやはり壁が厚い…
一旦気分を変えよう。
— もとけ氏 (@motokessy51754) September 25, 2023
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異業種転職でITエンジニア系にに進むなら、まず業界理解を深めてどの分野が合いそうか把握すること。独学でも短期スクールでもプログラミングに触れて抵抗なく理解できるか確認すること。なるべく早く転職すること(30超えたら未経験は厳しいです)。
— 井上亜記子@自己PRを見える化するキャリアコンサルタント (@akikoinoue110) April 5, 2023
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やっぱ30代未経験でITエンジニアになるのは無理なんかな
— judas (@judas1211) July 3, 2019
SNSでも「30代未経験でIT業界から内定をもらうのは難しい」、「なかなか選考に進めない」といった内容も見受けられました。
未経験エンジニアを採用するのは20代までという、暗黙のルールを聞いたことがある人もいるかもしれません。
もちろん、全員が不可能というわけではありませんが未経験からの転職は厳しいのが現実といえそうです。
30代は前職のスキルやマネジメント力が求められる
どの業界でも30代には、リーダーやマネジメントの経験が求められる傾向があります。
なかでもIT業界は経験者や即戦力人材を欲しがる企業が多いため、30代でITのスキル・経験がなければ厳しいでしょう。
しかし、前職でマネジメント経験があれば採用担当者に好印象を与えられる可能性があります。
未経験から転職を目指す場合は、前職のスキルやマネジメント経験が重要です。
【リアル】30代未経験からIT業界へ転職を成功させた体験談
30代未経験からIT業界への転職はハードルが高いですが、決して不可能ではありません。
ここでは、未経験からIT転職を成功させた3名の体験談をご紹介します。
工場の生産技術から転職を成功させたT.Jさん(33歳)
エンジニアを目指す前は、工場の生産技術として働いていました。
やりがいはそれなりに感じていたのですが、長時間残業は当たり前で泊まり込みで働いたこともありました。
体への負担も大きかったため、未経験ながらもITエンジニアを検討するようになりました。
ITの経験はなかったのですが、生産性の向上という点が一致していたのでおもしろいなと感じました。
転職活動を始める前にITの勉強をしていたこと、前職でマネジメントの経験があったのが内定獲得につながったのかなと思います。
保険営業からIT転職を成功させたA.Wさん(31歳)
前職は保険の営業をしていましたが、毎日がしんどかったです。
営業に向いていなかったからか、なかなか成果を上げられずノルマに追われるのも苦痛でした。
「こんな毎日がこれから先も続くのか」と思い、30代を機に転職を決心しました。
何か手に職をつけたいと思ったのでITエンジニアを選択しましたが、まったく知識がなかったためオンラインスクールに入会したことを覚えています。
途中で挫折しそうにもなりましたが、ポートフォリオを用意できるようになったところで選考の通過率も上がったと思います。
最初は書類すら通らない企業もたくさんありましたが諦めずに応募しつづけたところ、なんとか内定をいただけました。
介護士からIT転職を成功させたT.Sさん(35歳)
介護士は離職率の高い業界なので辞めていく人は多かったですが、とてもやりがいを感じていました。
まだ仕事は続けようと考えていたのですが、介護の現場にITのシステムが導入されるようになったのが転職のきっかけです。
「このシステムはITを活用したらもっと効率化できるのに…」と思うようになりました。
最初は興味を持った程度だったのですが、本でHTMLやCSSを学んでいくうちにIT業界への興味が強くなり転職活動を始めました。
介護職の年収に不安を感じていた点も大きかったです。
独学で勉強を続けながら転職エージェントを利用して、なんとか未経験からIT業界に転職することができました。
30代未経験者がIT業界へ転職するまでの流れ【3ステップ】
30代未経験からのIT業界への転職は難しいですが、成功した人もなかにはいます。
そこで、IT業界へ転職するまでの流れを紹介します。
ステップ①IT業界で働きたい職種を決める
IT業界といっても職種はさまざまです。
代表的な職種と簡単な業務内容を表にまとめたので、ぜひ参考にしてください。
職種 | 業務内容 |
---|---|
システムエンジニア | システムの開発や設計など |
サーバーエンジニア | サーバーの設計・構築・管理・保守など |
アプリケーションエンジニア | アプリケーションの企画や開発など |
プログラマー | 設計書をもとにプログラミングをする |
社内SE | 社内システムの開発や運用、管理など |
ITコンサルタント | ITを活用してクライアントが抱える課題に対し提案・助言をする |
IT営業 | 自社サービスを提案して顧客の悩みを解消する |
上記以外にもたくさんのポジションがあり、業務内容は多岐にわたります。
ぜひ他の職種についても調べてみてくださいね。
ステップ②IT業界全般の知識を身に着ける
30代未経験から転職を試みるなら、IT業界の基礎知識やトレンドなどは習得しておきましょう。
目指している職種があるならば、関連知識も身につけておきたいですね。
用語の意味を理解できて、相手とスムーズにやり取りができるぐらいは知識を保有しておきましょう。
ステップ③スクールを活用しスキルを身に着ける
市販の本で独学で勉強する人もいるかもしれません。
しかし、意味が理解できずに挫折してしまったら諦めるのではなくITスクールを活用してみましょう。
オンラインで完結するスクールであれば、自宅にいながらプロの指導が受けられます。
また、わからない点が出ても気軽に聞ける点はメリットです。
スクールを利用すればスキルが身につくだけではなく、IT業界への意欲も示せるためチェックしてみましょう。
30代未経験者がIT転職を成功させるためのポイント
30代からIT転職を成功させるためのポイントは下記のとおりです。
理由を交えながら、わかりやすく説明します。
中小企業を中心に選考を受ける
人気のある大手企業に入社したい気持ちはあるかもしれません。
しかし、未経験者が大手企業から内定を獲得するのは非常に厳しいといえます。
なぜなら、すでにスキルを身につけて実績のあるライバルと募集枠を競うのは難易度が高いからです。
もしも30代未経験からIT業界を志望するならば、中小企業を中心に選考を受けたほうが採用される確率は上がるでしょう。
また、前職と関連のある業界や経験を活かせる企業に応募すると、未経験者でもチャンスはあります。
派遣エンジニアとして実務経験を積む
雇用が安定しない・賃貸を借りれないなどの社会的評価が気になるなどのデメリットもあるかもしれませんが、派遣社員から挑戦してみるのも一つの方法です。
派遣社員は正社員と比べて勤務時間や勤務場所を選びやすいため、自由度が高いといえます。
また、派遣社員はさまざまな現場で学べるため、ある意味たくさんの経験を積めるというメリットもあります。
賃貸審査はアリバイ会社を利用する、両親に代理契約してもらうなどで対策することも可能です。
派遣社員であれば正社員よりも採用へのハードルは低くなるため、どうしても正社員で内定を獲得できない場合は、雇用形態を変えて応募するのも検討してみましょう。
IT業界に特化して転職エージェントを活用する
転職エージェントサービスには総合型と特化型がありますが、IT業界に特化したサービスがおすすめです。
特化型のエージェントサービスには、以下のメリットがあります。
- 担当者がIT業界を熟知している
- 業界出身のアドバイザーが在籍している場合がある
- 企業や業界の情報を教えてもらえる
また、転職支援サービスのなかには応募書類の添削や模擬面接などのサポートをしてくれるものもあります。
「何をアピールしたらいいかわからない」、「どのような質問が飛んでくるのか不安」のように感じる方は、ぜひ転職エージェントを利用しましょう。
一時的な年収ダウンを許容する
中途採用の場合の年収はスキルや経験をもとに決められるケースがほとんどなので、未経験であれば年収は下がってしまうでしょう。
ただし、経験や努力次第では後から年収を上げることも可能なので、一時的に年収が下がることを許容するのも一つの手段です。
どのくらいなら年収ダウンしてもよいのか、最低でもこのくらいまでと決めておくとよいでしょう。
年収を下げると受けようと思える企業も増えるため、チャンスは広がります。
アピール材料となるポートフォリオを作成する
ポートフォリオとはいわゆる成果物のことで、自身の作品を掲載してスキルをアピールするのに効果的です。
口頭で「ITについて勉強しました、スキルはあります」などと伝えるよりは、成果物を見せたほうが説得力が増します。
特に未経験の方は、ポートフォリオの有無で選考の通過率は変わってくるでしょう。
ポートフォリオを作成できるITスクールもあるので、ぜひ確認してみてください。
転職後に役立つスキルや資格を取得する
スキルを証明できない場合は、資格に挑戦して知識があることをアピールするのもよいでしょう。
たとえば、基本情報技術者や応用情報技術者はITの基礎知識を広く理解できるのでおすすめです。
また、エンジニア職を狙っているならば、データベーススペシャリストや情報セキュリティスペシャリストなどもスキルを証明できます。
ただし、資格の勉強に時間を費やして選考を受けないのは本末転倒なので、選択肢の一つとしてお考えください。
【まとめ】30代未経験からのIT転職は無謀?
30代未経験からIT業界に転職するのは、難易度が高いといえます。
なぜなら、30代にはスキルや経験を重視する企業が増えてくるため、実績のあるライバルから採用を勝ち取るのは難しいからです。
ただし、独学で勉強したりITスクールを活用したりすると、スキルが身に着くため選考でも有利となるでしょう。また、IT業界に特化した転職エージェントを利用するのもおすすめです。
30代未経験からの転職は難しいかもしれませんが、本記事を参考にして転職を成功させましょう。